本日は、かなり経年劣化の見られる古い物件でした。
一番目の写真は交換した電極棒の写真です。4本のうち、すでに1本は折れています。
電極棒は、ポンプの一部の部品とも言えます。ポンプと連動して動くからです。
その役割は、受水槽に万が一の不具合があり、水位に異常が起こった場合、
水位が通常より減っている事を警報で知らせたり(減水)、
それでも減りつづけた時ポンプが空転して焼付く前にポンプを止める指令を出す役目をしたり(渇水)、
水が溢れてオーバーフロー管から流れ出ているのを警報で知らせたり(満水)、
というものです。
設置から10年以上経った電極棒は要注意です。
電極棒には水位を検知する為に、常時ポンプから微弱電流が流れています。
この微弱電流が電極棒の素材であるステンレスを腐蝕させます。(電蝕)
今回の電極棒はステンレスにも関わらず、腐蝕が進行し、交換の為に取り出してみると折れていました。
電極棒は水質や設置状況によっても違いますが、約10年ぐらいを目安に交換した方がいいと思います。
電極棒の交換は、あまり高い工事でもありませんので。
弊社では、貯水槽清掃時の電極棒交換は、1セット\15,000〜
\20,000です。(電極棒使用数3本〜7本)
写真2は、受水槽の清掃前、写真3は清掃後です。
かなり大変な汚れ方でしたので時間をかけて丁寧に汚れを落としました。
ですが、受水槽自体の劣化も激しく、内側の壁面樹脂が大きく剥がれ落ちており、清掃時の排水が数度詰まりました。
こうなると受水槽自体の強度も落ちて、受水槽が崩壊する可能性もあります。
水槽内部を補強する方法もありますが、こちらの受水槽の場合、受水槽の劣化だけでなく、地盤沈下で受水槽が傾いている事や設置状態を考慮すると、技術的にもコスト的にもかなり難しく、メンテナンスを行うか交換をするのかの判断が必要です。
貯水槽メーカーの耐用年数発表は15年です。
福岡県での貯水槽の交換は25年〜35年で実施されている事が多いようです。
漏水等が起きた場合を考えると、そろそろ交換を視野にいれて準備された方がいいのではないでしょうか、と、報告しようかと思っています。
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